頭皮や顔のその痒み・フケ・赤みの正体は・・・
頭皮や髪の生え際が無性にかゆい、ぽろぽろフケが落ちる、眉毛や鼻のわきが赤い・・・等の症状はありませんか?
これらの症状の正体は、「脂漏性皮膚(しろうせいひふえん)」かもしれません。
・脂漏性皮膚とは?
頭や顔、胸、脇の下。足の付け根などに細かい鱗屑(角層がめくれ、かさかさした状態)を伴った赤みが生じる疾患で、慢性に経過します。
・誰がなりやすい?
赤ちゃんと成人でみられ、赤ちゃんでは皮脂の分泌が盛んなことが原因となります。
成人では原因はいくつかあり、皮脂の過剰分泌、かび、ストレスやビタミン代謝異常、洗顔や洗髪時のすすぎ不足や洗いすぎによるもの、生活習慣の乱れ等によって引き起こされます。
・カビが原因?
脂漏性皮膚炎を引き起こす様々な原因の1つとして、カビであるマラセチアが注目されています。
マラセチアは毛包の常在菌(住み込んでいるが通常は無害な菌)ですが、マラセチアは生きていくために脂質を必要とする真菌で、皮脂分泌の多い脂漏部位に多く生息しています。
マラセチアにより生成される様々な物質が炎症を惹起し、かゆみ・フケを引き起こします。
ストレスや生活習慣の乱れなどによって皮脂が過剰に分泌される ⇒ 皮脂を栄養としてマラセチア菌が増殖する ⇒ マラセチア菌が作る物質が炎症を惹起し、赤みや痒み、フケを引き起こす
・脂漏性皮膚の治療は?
塗り薬(ステロイド外用薬、外用抗真菌薬)です。病変の部位や面積に応じて、軟膏やクリーム、噴霧薬などの外用薬により治療します。
・日常生活で気を付けることは?
できれば毎日入浴し、石けんやシャンプーを良く泡立て丁寧に洗浄し、皮脂やフケを取り除きましょう。強く擦らないように注意しましょう。
頭は爪を立てずに指の腹で優しく丁寧に洗いましょう。入浴後は病変部に処方された外用薬を塗りましょう。普段は掻かないように気を付けましょう。
抗真菌薬を配合したシャンプー、リンス、ボディソープが薬局で市販されています。これらを追加して使用することでマラセチアの菌量をさらに抑えることができますのでご相談ください
2021年5月6日5:18 PM