とびひ(伝染性膿痂疹)に要注意
夏になりとびひが増えてきています。お子様だけの疾患だと思われがちですが、大人でも疲れやストレスによって感染することがあります。
「とびひ」の正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。
とびひは主に黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌という細菌が原因です。
健康な皮膚は、表皮というバリアで守られているので細菌が感染することはありません。
しかし、虫さされやあせもや湿疹などを掻いて、小さな傷ができていたり、転んでできた傷などがあると、そこから細菌が入り込んでとびひになります。
とびひになったところを触った手でほかの場所を掻いたり、水ぶくれが破れて出てくる液が他の人についたりすると、飛び火して全身に広がったり、人にうつる病気です。
火事の火の粉が飛び火することに似ているため、「とびひ」と呼ばれています。
とびひは水ぶくれができるタイプ(水疱性膿痂疹)とかさぶたができるタイプ(痂皮性膿痂疹)の二種類がありますが、多いのは水ぶくれができるタイプです。
最初は手足や顔に小さな米粒くらいの大きさの水ぶくれができ、だんだん大きくなって卵位の大きさになることもあります。
水ぶくれは簡単に破れて。皮が赤くむけてジュクジュクした状態(びらん)になったり、かさぶた(痂皮)をのせるようになったり、そこからさらに「とびひ」が拡大したりします。
また水ぶくれの中の液やびらん面の液がほかの場所や他の人につくと移るので注意しましょう。
とびひには、原因となる細菌を抑えるための飲み薬と塗り薬で治療を行います。また掻くことで悪化するので、かゆみを抑える治療も行われます。
とびひは、ひどくならないうちに治療を始めると、より早く治すことができます。
気になる症状があれば、早めに受診しましょう!
☆追加情報☆
『とびひの予防について』
アトピー性皮膚炎のあるお子様や、虫刺されやケガなどで皮膚に傷のあるお子様はとびひにかかりやすいのでこれらの治療を行うことが大切です。
汚い手で湿疹や虫刺されを掻きむしることがとびひの原因になります。
爪はきちんと切り。外出後には必ず手洗いをして、手指の清潔に努めましょう。
またとびひの原因菌は、多くの人で鼻の中に潜んでいます。指で鼻をいじる癖のあるお子様は直すようにしましょう。
2022年8月10日11:44 AM