アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下し痒みを伴う湿疹を繰り返す病気です。
子供のころに発症することが多いのですが、成長とともに症状は改善していくとされています。しかし成人の1~3%の方が罹患されており、良くなったり悪くなったりを繰り返すため、当クリニックにも症状の悪化でお悩みの方がご相談にいらっしゃいます。
アトピー性皮膚炎は発症のメカニズムが明確に解明されていないため、現在のところ完治させる科学的根拠のある治療はありません。そのため症状を改善させるためのステロイド外用剤などによる薬物療法と、保湿剤によるスキンケアに加え、抗炎症外用薬を定期的(週2回など医師の指示による)に塗って、皮膚の良い状態を維持するため近年プロアクティブ療法が重視されるようになりました。
プロアクティブ療法は、症状がおさまった後も頻度を減らしながら薬を塗り続け、症状の出ていない状態をできるだけ長く保つことを目指す新しい治療概念ですが、プロアクティブ療法をしっかりと行うことでスキンケアのみで維持できるくらいの状態になることがあります。
薬に頼らず治したいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが強い症状があるときは薬物療法を適切に行い、悪循環を起こさないようにすることが重要になります。
良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患ですので、薬を塗ったりやめたりしているうちに悪化してしまう患者さんもいらっしゃいます。
悪くなったりするのは仕方がないと思うかもしれませんが、薬を適切に使うことが薬の量を減らすことにつながり良い皮膚の状態をキープすることに繋がります。
乾燥が一段とひどくなる季節になりましたのでお気軽にご相談ください
2023年11月22日2:02 PM